2012年10月18日木曜日

学位・称号関連用語


博士(はくし)

博士とは、学校教育法に基づき、大学又は独立行政法人大学評価・学位授与機構(以下、「機構」)より授与される学位のひとつです。
別称でドクターとも呼ばれます。文部科学大臣の定めるところにより、大学院(専門職大学院を除く)の博士課程を修了した者、あるいは、同等以上の学力があると認められる者に対して授与されます(学校教育法第104条)。
大学及び機構は、学位を授与する際には適切な専攻分野(学位規則第10条)を、また学位を授与された者は学位を授与した大学又は機構の名称を付記するもの(学位規則第11条)とされており、博士の後に括弧表記で専攻分野と大学名又は機構名を付記するのが一般的です(「博士(法学)(○○大学)」など)。
一般的に、大学院の博士課程を修了した者を「課程博士」、大学院の行う博士論文の審査に合格し、かつ、大学院の博士課程を修了した者と同等以上の学力を有することを確認された者は「論文博士」と呼ばれています(学位規則第4条)。
大学院の博士課程の修了には、大学院に5年(修士課程を含む)以上(医学部など6年制に接続する学部では4年以上。また、優れた業績を上げた者は3年以上)在学し、30単位以上を修得、ならびに必要な研究指導を受けた上で、大学院の行う博士論文の審査及び試験に合格すること(大学院設置基準第17条)とされています。
大学及び機構は学位を授与した日から3ヶ月以内に、博士論文の内容の要旨及び論文審査の結果の要旨を公表する義務があり(学位規則第8条)、また、博士の学位を授与された者は、授与された日から1年以内に、その論文を印刷公表しなければなりません。
ただし、博士を授与される前に既に印刷公表している場合は必要ありません。また、やむを得ない事由がある場合には、大学又は機構の承認を受けて、博士論文を要約したものを印刷公表することができます。この場合、大学又は機構はその論文の全文を閲覧公開しなければなりません(学位規則第9条)。




修士(しゅうし)

修士とは、学校教育法に基づき、大学又は独立行政法人大学評価・学位授与機構(以下、「機構」)より授与される学位のひとつです。
別称でマスターとも呼ばれます。文部科学大臣の定めるところにより、大学院(専門職大学院を除く)の修士課程を修了した者、あるいは、同等以上の学力があると認められる者に対して授与されます(学校教育法第104条)。
大学及び機構は、学位を授与する際には適切な専攻分野(学位規則第10条)を、また学位を授与された者は学位を授与した大学又は機構の名称を付記するもの(学位規則第11条)とされており、修士の後に括弧表記で専攻分野と大学名又は機構名を付記するのが一般的です(「修士(法学)(○○大学)」など)。
大学院の修士課程の修了には、大学院に2年以上(ただし、優れた業績を上げた者は1年以上)在学し、30単位以上を修得、ならびに必要な研究指導を受けた上で、修士課程の目的に応じて、大学院の行う修士論文又は研究成果の審査及び試験に合格すること(大学院設置基準第16条)とされています。
また、学位としての修士とは別に、文部科学大臣の定めるところにより、専門職大学院の課程を修了した者に授与される専門職学位のひとつに「修士(専門職)」があります。これは、学校教育法の改正により、平成15年度から専門職大学院が新設されたのにともない、新たに設けられました。
専門職学位課程の修了には、専門職大学院に2年以上在学し、専門職大学院が定める30単位以上の修得、その他教育課程の履修が必要とされています(専門職大学院設置基準第15条)。




学士(がくし)

学士とは、学校教育法に基づき、大学又は独立行政法人大学評価・学位授与機構(以下、「機構」)より授与される学位のひとつです。
文部科学大臣の定めるところにより、大学(短期大学を除く)を卒業した者に対して授与されます。また、学校以外の機構に認定された教育施設(防衛大学校など)で、大学に相当する教育を修了した者も受けることができます(学校教育法第104条)。
大学及び機構は、学位を授与する際には適切な専攻分野(学位規則第10条)を、また学位を授与された者は学位を授与した大学又は機構の名称を付記するもの(学位規則第11条)とされており、学士の後に括弧表記で専攻分野と大学名又は機構名を付記するのが一般的です(「学士(法学)(○○大学)」など)。
上記以外に、機構が以下の人を対象に行っている学士の授与もあります。
(1)短期大学若しくは高等専門学校を卒業した者。
(2)大学に2年以上在学し62単位以上習得した者。
(3)専修学校の専門課程を修了した者のうち、文部科学大臣の定める基準を満たし大学に編入学することができる者。
(4)外国において学校教育における14年の課程を修了した者。
(5)(4)と同等以上の学力がある者として文部科学大臣が別に定める者。
以上の人は、機構の定めるところにより、科目等履修生として単位等大学における一定の単位を修得するか、又は短期大学若しくは高等専門学校の専攻科のうち、機構が定める要件を満たす一定の学修その他文部科学大臣が別に定める学修を行い、かつ、機構が行う審査に合格することにより、学士の学位を受けることができます。(学位規則第6条)



短期大学士(たんきだいがくし)

短期大学士とは、学校教育法に基づき、短期大学より授与される学位のひとつです。
文部科学大臣の定めるところにより、短期大学を卒業した者に対して授与されます(学校教育法104条3項)。学校教育法の改正(平成17年7月15日公布、同年10月1日施行)により新設され、平成18年3月の短期大学卒業生から学位が授与されています。
しかし、過去に短期大学を卒業した人がさかのぼって学位を受けることはできません。短期大学の卒業には、2年制の短期大学では2年以上在学し62単位以上、3年制の短期大学では3年以上在学し93単位以上を修得すること(短期大学設置基準第18条)とされています。
ただし特例として、夜間学科等3年制の短期大学については、3年以上在学し、62単位以上を修得することで卒業ができます(短期大学設置基準第19条)。
そもそも、平成3年の学校教育法改正から短期大学卒業者には「準学士」の称号は与えられていました。しかし、称号は特定の学校を卒業したことについて本人が称することができるものであって、国際的には理解されにくいなどの問題点がありました。
そこで、諸外国の短期高等教育機関において、修了者に学位が授与される傾向が進んでいることから、諸外国と同様に学位が授与されることで、日本の短期大学卒業生が外国の大学に留学する場合や、外国の学生が日本の短期大学に留学し帰国した場合に、知識や能力、学歴が適切に評価されることを目的として平成17年に新たに学位のひとつとして短期大学士が設けられました。
また、短期大学においては、短期大学士の創設を機に、学位を授与する機関としての水準の維持向上に取り組むことや、その個性や特色を明らかにし、さらに質の高い教育を提供することが求められています。





法務博士(ほうむはくし)

法務博士とは、学校教育法に基づき、専門職大学院より授与される専門職学位のひとつです。
文部科学大臣の定めるところにより、法科大学院の課程を修了した者に対して授与されます(学校教育法第104条及び学位規則第5条2項)。
学校教育法の改正により、平成15年度から専門大学院が新設されたのにともない、学位規則に専門職学位のひとつとして新たに法務博士が設けられました。一般的には法務博士の後に括弧表記で(専門職)と付記されます(法務博士(専門職))。
法科大学院の課程の修了には、法科大学院に3年以上在学し、93単位以上を修得することとする(専門職大学院設置基準第23条)とされています。そもそも、法科大学院は米国のロースクールを参考に、法曹(弁護士、裁判官、検事)を養成する専門の教育機関として平成16年度より開設されました。
法科大学院の基本理念として「法曹の養成のための中核的な教育機関として、少人数による密度の高い授業を行い、将来の法曹としての実務に必要な学識及びその応用能力ならびに法律に関する実務の基礎的素養を育成するための理論的かつ実践的な教育を体系的に実施し、その上で厳格な成績評価及び修了の認定を行うこと(法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律第2条1項)」とされています。
課程を修了し法務博士を授与された者は、修了日から起算して最初の4月1日から5年以内に司法試験を3回受験することができます。
しかし、当初の目標に比べて司法試験の合格率が低いことなどから、法科大学院の体制に疑問を持つ意見もあり、中教審は「法科大学院教育の質の向上のための改善方策について(平成21年4月17日)」を提出するなど対策を講じています。




教職修士(きょうしょくしゅうし)

教職修士とは、学校教育法に基づき、専門職大学院より授与される専門職学位のひとつです。
文部科学大臣の定めるところにより、教職大学院の課程を修了した者に対して授与されます(学校教育法第104条及び学位規則第5条2項)。
学校教育法の改正により、平成15年度から専門職大学院が新設されたのに伴い、学位規則に専門職学位のひとつとして新たに教職修士が設けられました。一般的には教職修士の後に括弧表記で(専門職)と付記されます(教職修士(専門職))。
教職大学院の課程の修了には、教職大学院に2年以上在学し、45単位以上(学校における実習10単位を含む)を修得すること(専門職大学院設置基準第29条)とされています。
教職大学院は、高度で専門的な能力及び優れた資質を有する教員の養成を目的とする専門の教育機関として平成20年度より開設されました。主な目的と機能には、
(1)教員免許取得者の中から、さらに実践的な指導力・展開力を備え、新しい学校づくりの有力な一員となり得る新人教員の養成。
(2)現職教員を対象に、地域や学校における指導的役割を果たし得る教員等として確かな指導理論と優れた実践力・応用力を備えたスクールリーダーの養成。
(中教審『今後の教員養成・免許制度の在り方について(答申)』平成18年7月11日)などが謳われています。この為、ほとんどの教職大学院では教員免許取得者や現職教員を入学対象としています。
しかし、問題点も多く指摘されており、教職大学院の認知度の低さから定員割れの大学院も出ています。
また、教職修士を取得しても現場での優遇措置がほとんどないことなどから、各都道府県の教育委員会では、教員採用試験合格者に対して、名簿登録の延長措置をとったり、教員採用試験で特別推薦枠を設けたりすることなどを検討しています。




準学士(じゅんがくし)

準学士とは、学校教育法に基づき、高等専門学校を卒業した者が称することができる称号のことです(学校教育法第121条)。
また、準学士の称号を授与された者は、各大学校の定めるところにより、2年以下の期間を控除した学年から編入学することができます(学校教育施行規則第178条)。
高等専門学校の卒業(課程の修了)に必要な単位数は、167単位以上(そのうち、一般科目については75単位以上、専門科目については82単位以上)とされており、ただし、商船に関する学科については練習船実習を除き147単位以上(そのうち、一般科目については75単位以上、専門科目については62単位以上)としています。
平成3年の学校教育法改正により新しく「準学士」の称号が設けられ、短期大学または高等専門学校の卒業者を対象に授与されていました。しかし、平成17年の学校教育法改正による「短期大学士」の新設にともない、準学士は高等専門学校の卒業者にのみ授与されるようになりました。
この違いが生まれた背景として、高等専門学校が技術教育を目的としていることに対し、短期大学が2年制の総合的な研究を行う機関としての位置づけを想定したためと考えられています。
また、短期大学士が学校教育法に基づく学位として国際的にも認定されている一方、準学士はあくまでも称号のひとつであり、特定の学校を卒業したことについて本人が称することができるものであって、国際的には理解されにくいなどの問題点があります。
加えて、以前まで取得可能であった教員免許の二種免許状が短期大学士のみに限定されたことで、準学士には認められなくなったなどの差も生じています。




高度専門士(こうどせんもんし)

高度専門士とは、「専修学校の専門課程の修了者に対する専門士及び高度専門士の称号の付与に関する規程(文部科学省告示)」に基づき、学校教育法第82条に規定する専修学校の専門課程(以下、「専修学校専門課程」)で、次に掲げる要件を満たすと文部科学大臣が認めた課程を修了した者に授与される称号です。
(1)修業年限(期間)が4年以上であること。
(2)課程の修了に必要な総授業時数が3400時間以上であること。
(3)体系的に教育課程が編成されていること。
(4)試験等により成績評価を行い、その評価に基づいて課程修了の認定を行っていること。
この規程は、平成6年に文部科学省(当時は文部省)により、専修学校の専門課程における学習の成果を適切に評価し、専門課程修了者の社会的評価の向上を図るとともに、生涯学習の振興に活用することを目的(同規程第1条)として新設されました。
その後、専修学校の専門課程における教育内容の高度化と修業年限の長期化を踏まえ、学習の成果を適切に評価するため、一定の要件を満たす専修学校の専門課程の修了者に対して、平成17年に同規程の改正により、これまでの「専門士」に加えて、新たに「高度専門士」の称号が設けられました。
専門学校で行われている8分野(工業、農業、医療、衛生、教育・社会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・教養)のすべての課程で高度専門士の称号を取得することができます。
また、卒業証書等に表記する際は、高度専門士の後に括弧表記で修了した分野の専門課程名を付記することとされています(高度専門士(工業専門課程)など)。
また、人事院規則9-8により国家公務員に採用された際の初任給などでは、大学4年卒と同等の区分で扱われる他、大学院に入学する資格も与えられます。




専門士(せんもんし)

専門士とは、「専修学校の専門課程の修了者に対する専門士及び高度専門士の称号の付与に関する規程(文部科学省告示)」に基づき、学校教育法第82条2に規定する専修学校の専門課程(以下、「専修学校専門課程」)で、次に掲げる要件を満たすと文部科学大臣が認めた課程を修了した者に授与される称号です。
(1)修業年限(期間)が2年以上であること。
(2)課程の修了に必要な総授業時数が1700時間以上であること。
(3)試験等により成績評価を行い、その評価に基づいて課程修了の認定を行っていること。
(4)高度専門士の課程ではないこと。
この規程は、平成6年に文部科学省(当時は文部省)により、専修学校の専門課程における学習の成果を適切に評価し、専門課程修了者の社会的評価の向上を図るとともに、生涯学習の振興に活用することを目的(同規程第1条)として新設されました。
その後、専修学校の専門課程における教育内容の高度化と修業年限の長期化を受けて、平成17年に同規程の改正により、これまでの「専門士」に加えて、新たに「高度専門士」の称号が設けられました。
専門学校で行われている8分野(工業、農業、医療、衛生、教育・社会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・教養)のすべての課程で専門士の称号を取得することができます。
また、卒業証書等に表記する際は、専門士の後に括弧表記で修了した分野の専門課程名を付記することとされています(専門士(工業専門課程)など)。
また、人事院規則9-8により国家公務員に採用された際の初任給などでは、短大卒(2年制)と同等の区分で扱われる他、大学に編入する資格も与えられます。



名誉博士(めいよはくし)

名誉博士とは、大学より授与される名誉学術称号のひとつです。
学問や芸術、文化など様々な分野で功績を認められた者に対して授与されています。
学校教育法に基づき授与される名誉教授や博士などが、一定の学術上の業績を評価対象にしているのに対し、名誉博士は社会的な功績や大学研究への協力を讃えることを目的として授与されるケースがほとんどです。
また、一般的な学位や称号が当該大学に勤務または在籍していた者を対象にしている一方、名誉博士は大学内外を問わずに授与されています。
代表的な例では、米マイクロソフト社の創始者であるビル・ゲイツ氏に対して、2000年に立教大学が名誉博士を授与しています。同氏は立教大学に在籍した経験はありませんが、インターネットの開発や財団によるボランティア活動が、人類の進歩と社会の発展に貢献したと評価されました。
そして、同大学より文化の向上または人類の幸福のために顕著な貢献をした外国人に与えられる「Doctor of Humanities」(ドクター・オブ・ヒューマニティーズ)の称号が授与されました。
しかし、一方で学術上の業績を必要とする博士号と混同される場合も多く、その学術的な価値を疑問視する声もあります。また、名誉博士や博士号の称号を金銭で売買するディプロマミル(ディグリーミル)による学位商法などの問題が存在することも事実です。
これは、アメリカでは大きな社会問題になっています。2007年に文部科学省が日本国内の各大学を調査したところ、正式な学位とは認められないディプロマミルと疑われる称号をアメリカで取得し、学位として使用していた大学教員が多数確認されました。




名誉教授(めいよきょうじゅ)

名誉教授とは、大学から授与される称号のひとつです。
学校教育法第106条により「大学は、当該大学に学長、副学長、学部長、教授、准教授又は講師として勤務した者であって、教育上又は学術上特に功績のあった者に対し、当該大学の定めるところにより、名誉教授の称号を授与することができる」とされています。
教授職を示す言葉ではなく、あくまでも称号のひとつです。表記する際は、当該大学名を語頭に明記し「○○大学名誉教授」などと記載されます。
学校教育法以外に、各大学に「名誉教授称号授与規程・規則」があり、その授与基準は大学により異なります。一般的な選考方法としては、当該大学退職者を対象に規定年数以上勤務した者の中から、学長や学部長の推薦により、学内に設けられた教育研究評議会の審議を経て授与されます。
また、授与後に名誉教授にふさわしくない行為が発覚した場合は、称号の授与を取り消すことを規定している大学もあります。
その他にも、省庁大学校の一部で名誉教授を授与しています。大学校は学校教育法に基づく学校(大学)には含まれないため、学校教育法上の規定はありませんが、各省庁で作成された「大学校名誉教授の称号授与に関する訓令」などで、名誉教授の基準について規定しています。
名誉教授と類する称号で、「名誉博士」、「特別栄誉教授」、「名誉客員教授」、「特別功労教授」などがありますが、いずれも学校教育法に基づくものではなく、各大学が独自の基準で授与しています。


参考サイト
http://h-kateikyoushi.com/category/w_gakui







最後まで読んでくれてありがと~~~♪

励みの1票(ネコ)をおねがいしま~すm(_ _)m

いつも応援、ブログに遊びに来てくれてありがとう★

ブログランキング↓↓↓
人気ブログランキングへ

ブログ村↓↓↓
  にほんブログ村 海外生活ブログ アフリカ情報へ にほんブログ村 哲学・思想ブログ イスラム教へ にほんブログ村 恋愛ブログ 国際結婚(アフリカ人)へ

0 件のコメント: